3日目


ザザザザザザザザザザザ・・
朝6時、雨の音で起床。けっこうキツイ雨だ。今日の撮影は厳しいかなあ・・(>_<)



寝ぼけ眼で、昨日の撮影ポイントへ。傘をさしていても風が強いのでコートはずぶ濡れ。だめだこりゃ・・。
肝心のモンサンミッシェルも雨で霞んでいる。これはこれで雰囲気があるのだが、こんな状態で撮影していたらカメラが壊れそうだ。



しょうがないので、ホテルにいったん戻る。その前にバスの時刻を確認。ダメだ・・2時間後までこない。
そういや朝食をとってないな。食堂にでも行くか・・。
フロントに食堂の場所を聞く。離れのレストランだ。
朝食は簡素なバイキング方式でどこもだいたいメニューは同じ。
そういや食事をとるのは、昨日のTGVのBAR以来だ。よく体もってたな・・(^_^;)

食事後部屋でまったりしていてもしょうがないので、早々とチェックアウトを済ませる。
わたし 「ええホテルやったわ。ありがとさん(*^^*)ところで、モンサンミッシェルまで歩いたらどれくらいで行けるん?」
フロントのおねえさん 「うーん。雨降ってるし、歩いてやったら1時間くらいかかるかもしれんで。」
わたし 「1時間かあ。バスが来るのと同じ時刻やなあ。よっしゃ。歩いていこ。」
フロントのおねえさん 「あんたマジ?バスまっときーな。ずぶ濡れなるで。」
わたし 「傘あるしだいじょうぶ。おおきにね。また来たときはここ泊まるわ。」
フロントのおねえさん 「きーつけて行きや。」

ホテルを出て、まっすぐモンサンのある北に向かう。
ルレ・サン・ミシェルを通りすぎたら、土手側の車道から少し降りて、泥道を歩く。
雨は少しづつ小康状態になり、しだいに傘もいらなくなった。
昨晩より干潮になり、湾だった部分もかなり干上がっている。
そこに羊たちが放牧されていて、のんびり草を食べている。
一眼レフとコンデジのパノラマ撮影を使い分け、泥で脚をすくわれないよう気をつけながら、
パシャッ、パシャッと繰り返し撮影しながら歩き続ける。







ほとんどの羊さんは、近づいたら逃げていくので、構図を決めたら、いかに気配を消して近寄れるかがカギとなる。



たまーに、近づいても逃げない羊さんもいる。そんな羊さんはやわらかい背中をそーっと撫でてあげる。(*^_^*)




モンサンミシェルに近づくにつれ、雨脚がまた強まってきた。
羊さんたちが連なって大移動を始める。
わたしも慌てて応急用のレインコートを羽織り、足早に駆ける。



前哨門まえの駐車場に着いたときは、もうどしゃ降りだった。
今日はさすがに駐まっている車も少ない。案内板に書いてあるレンヌ行きのバスの時刻を確認する。
11時10分。いまが10時すぎなので、1時間弱か・・中途半端な時間やなあ。。(・・;)
とりあえず雨を凌ぎたい。再び前哨門をくぐり、中に入った。
















王の門を抜けてすぐ、城塞町の面影が残るグランド・リュ(大通り)と名付けられた細い道の両脇には、
19世紀前半に建てられたといわれるホテル・レストラン・土産物屋が並ぶ。この街の原型ができたのは12世紀頃らしい。
個性的でかわいらしい看板を写しながら土産物屋をまわっていたら、あっという間に時間は過ぎた。
また絶対来るぞ!今度は島内に泊まって、早朝のモンサンミッシェルをまた撮りに来るぞ!
プラールおばさんのオムレツ屋さんの店をとおりすぎ、前哨門に戻ると、レンヌ行きのバスがとまっていた。
もうちょっと滞在したいな・・という気持ちもあったが、雨が降りしきっているので、運転手さんに運賃を払ってバスに乗り込む。



レンヌに着いたら時計の針は12時40分をまわっていた。
案内板を見ると、次のパリ行きTGVは13時05分発だ。
rennneは、モンパルナスと違って構内がさほど広くないので、
TGVが到着するホームもある程度予測できるし、そんなに迷うこともない。



TGVのclass2(2等)車両。シートピッチは、新幹線N700系のぞみと同じくらい。
落ち着いた配色のシート、年期はかなり入っている。
始発列車にすぐ乗ったので人はほとんど乗ってないように見えるが、すぐに満員になった。
class1と違い、2等車両は値段がリーズナブルなので比較的混みやすい。乗客数の多いレンヌ=パリ間ならなおさらだ。



15時15分、パリ・モンパルナス駅に到着。さ−て、次はどこに行こうか。
世界遺産の大聖堂があるシャルトル、近郊人気スポットのヴェルサイユ宮殿、どちらもこの駅から直通電車が出ているが、外は大雨(>_<)
うーん。。時間もあんまりないし、シャルトルは明日に行くことにして、ルーブル美術館に行こう!
”いきあたりばっ旅”らしく、その場の思いつきで行動。これもこの旅のいいところ(^^;)。

モンパルナス駅周辺は大阪駅周辺とよく似ている。
JR大阪駅と阪急・阪神梅田駅、それに御堂筋線の梅田駅と四つ橋線の西梅田駅が混在している、あの感じだ。
わたしが行きたいのはルーブル美術館なので、地下に降りて地下鉄13号線を探す。
えーっと、4号線・・違う!6号線・・違う!12号線・・ちがうってば!やっとあった・・13号線・・
カルネ(切符)を買わなきゃ・・。窓口は人が並んでるので、自販機で買おう。使い方わからんけど(^^;)
えーっと、どうやって使うねん?これ。
ボタンがないのでタッチパネルかな?と思って画面を触るが反応ゼロ。
おっかしいなあ・・とツンツン画面をつついていると、通りかかったねえちゃんが使い方を教えてくれた。

おねえちゃん 「このローラーを回して希望する項目を選択するねんよ。」
わたし 「お・・おおきに(汗)」

よく見ると画面の下に銀のローラーがあり、それを回すと項目が変わった。
とりあえず、英語を選択して、カルネの1回券を一枚だけ選択。1.20ユーロとでた。ホッ・・(^^;)
現金挿入口に効果を入れ、カルネをゲット。
なんでもないことなんだけど、とても嬉しい。
”はじめてのおつかい”に出てるこどもって、こんな気分なんだろうなあ・・。
今度あの番組をみたときは、いままで以上に号泣するかも知れない。

Montparnasse Bienvenue駅から地下鉄13号線で5駅北に行くと、Champs Elysees Clemenceau駅に着く。
そこで地下鉄1号線に乗り換え、今度は東に向かう。
乗り換えて3駅目にPalais Royal Musee du Louvre駅に着くので、そこで降りたところがルーブル美術館だ。





ルーブル美術館の玄関口。とにかくだだっ広い。
入ったところにある自販機で入場券を購入(9.50EUR)し、中央の受付へ。
日本語で書かれている館内地図をもらって、まずはモナリザを探しに迷宮のような館内へ入る。









でかすぎる絵とその迫力に圧倒されまくり、ふつうに歩きながら鑑賞しているだけで、ものすごく疲れる。
本物の中の本物、選りすぐりの一級品が並ぶルーブルは、圧巻の一言に尽きる。
しかし、そのキャパシティーに、ひとつひとつの素晴らしい作品が埋没される怖さも、ここにはある。
正直私も、「もう、わかったから・・ルーブルはんがもの凄いのは、ようわかったから・・。はよモナリザ見せてーな・・」という心境になった。
そう考えると、そこに並べられているひとつひとつの珠玉の作品の製作者が、かわいそうだな・・ともおもった。
この美術館のひとつひとつの作品を丁寧に見て回れば、最低でも1ヶ月はかかるだろう。



30分ほど徘徊して、モナリザのまえに到着。
この作品だけは、ガラス張りの中に保管され、警備員も4人おり、近づくことすらできない。
「これが世界一有名な絵か・・思ったより、ちっちゃいなあ。」
ルーブルでは、日本の美術館と違い、写真撮影、模写は自由だ。ただし当然のことながら、フラッシュ撮影は禁止されている。
観光客はみなデジカメを取り出し、真剣な表情でこの世界一有名な絵を撮影している。その様子を写しながら、わたしもモナリザをパシャリ。



あたりまえのことだが、名画を写真撮影してもその素晴らしさは全く伝わらない。
絵画は写真に写すものではないとわかっていながらも、撮らずにはおられない自分が哀しい。


モナリザの真向かいに展示してある、横9.9m縦6.6mの超大作、ヴェロネーゼの「カナの婚宴」。
本物だよ?みんなちゃんと見てよ。。(←人のこといえるかい!)



ミロのヴィーナスなんてものが、ふつーに置いてあったり


「ガブリエル・デストレとその妹」の作品のまえに誰もいなかったりする。ふつうにじっくり鑑賞できる。



フェルメールの”レースを編む女”この名作のまえにも誰もいない。観覧独占状態。
なんなの?ここは。もし日本に来たら大変だよ?



東方美術の間には、さくらももこが描いたような絨毯や財宝があったり


ナポレオン三世の居室(上の写真は食堂)なんかが、そのままの形で展示されてたりする。


ルーブル美術館を早足でまわりおえた頃、凱旋門賞を観戦に来た日本の友人から、ドゴール空港に着いたとメールで連絡があった。
「一緒に夕食でも食べましょうか?」という話になったが、結局集合場所と時間の折り合いがつかず、夕食は凱旋門賞の後に一緒にとることになった。
結局、この日は美術館に隣接する食堂街のようなところで安価のパエリエ(ファーストフードふう)を食べ、帰路につく。
今日もよく歩いた・・。歩きすぎた・・。gate駅からカンパニールまでの距離が遠く感じる。
ホテルに着いて部屋に戻ったら、散らかっていた荷物が綺麗に片付いていた。
感謝の気持ちを込めて、忘れないうちにテーブルにチップを置いて、就寝。
あしたもいいことあればいいな・・(^^)


4日目につづく


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