1日目 (入国)


HISの旅行代理店で航空券を予約した8月26日の段階では、関西空港からパリまで行く場合、
フィンランド航空を使ってヘルシンキで乗り継ぐ路線の価格が一番安かった。
ヘルシンキでの乗り継ぎ時間は55分と短かったが、まあ乗り継ぎ時間が1時間弱もあればじゅうぶんだと思っていたし、
なによりも”最安値”だったので即決で購入したのだが、実際のところ、乗り継ぎ時間が55分はあまりにも短すぎた。。。


ヘルシンキ国際航空にて (ぽわぽわぽわぽわわーん・・回想シーンへ)

あーもう!航空便が遅れて乗り継ぎ時間ほとんどあらへんがな!
このヘルシンキたらゆう空港も地図で見たらごっつ狭そうやったけどけっこう広いがな!
えっと、とりあえず掲示板みて、つぎの便のゲートを確認せな・・えーっとパリ行きAY873便やから・・えーっと・・
わかった。こっちやな・・えーっとinternationlgate?なんやこれ!すごいひとやん!

わたし 「なあ、ちょっとおっちゃん。この人の列なんなん?」
空港のおっさん 「なにて、入国審査にきまっとるがな。」
わたし 「わしな、これからパリにいくねん。フィンランドには降りひんねん。ちょっと時間ないし、通してんか。ほなさいなら。」
空港のおっさん 「あほかおまえは。シュンゲン条約をしらんのか?あほなことゆうてんと、はよ黙って並べ。」
わたし 「わし、急いでるねんて!シュンゲン条約ってなんやねん?」
空港のおっさん 「おまえ、そんなことも知らんで来とるんか?ヨーロッパ各国にいくのにはなあ、最初に入国した国で入国審査を入念に受けなあかんのよ。で、そこの入国審査を通ったら、もう目的地の国では入国審査せんでええねん。」
わたし 「えーー!?そうなん?じゃあ、いまここで、この長い列に並んで審査受けんとあかんの?」
空港のおっさん 「そや。そやないと、次の飛行機に乗せたらへん。」

えらいこっちゃ・・すごい列やん・・
しかも、もうわしの便の搭乗手続き始まっとるやん・・。

入国審査に並ぶ人間はどう少なく見積もっても100人以上。
入国審査のゲートは7つほどあるのだが、実際に審査員がいるのは3名だけ。
しかも列が進むのはちんたらちんたら・・あーーーーーーもう!イライラする!!!
なんとか出航時間ギリギリ前に審査員のところまで来たのだが・・

わたし 「わし、急いでるねん!もう、ほらほら(キップを見せる)、わしの便でよるねん!とっとと終わらせてな」
入国審査のいかついおっさん 「おまえ、なにしにパリにいくねん?」
わたし 「さいとすぃーんや。さいとすぃーん!そんなこと聞いてどうすんねん?」
入国審査のおっさん 「あやしい。」
わたし 「なにが怪しいねん!ええ加減なことゆうなやおっさん!わし、急いでるてゆうとるやんけ!」
入国審査のおっさん 「おまえ、まじ怪しい。ちょっとそっち行け」
わたし 「ほ・・ほわーい??(Why!?)ほゎーい!?」

つれて行かれたところで徹底的にX線つき身体検査。
男のおっさんに体中まさぐられて気色のわるいことこの上ない。
もう勘弁してくれ。たのむから、つぎの航空機の中でやってくれ。。

なんとか、身体検査に合格?したわたしは、再度手持ち品の徹底検査を受け
(なんで関空でやったのに、またやらなあかんねん?)
なんとかギリギリ、パリ行きの乗り継ぎ便に飛び乗った


教訓1 格安航空便で乗り継いでヨーロッパに行く場合(乗り継ぎ地もヨーロッパの場合)
入国審査に時間がかかることを考慮に入れ、2時間くらい次の便との時間に余裕をもたせることが望ましい



なんとかかんとか、パリのドゴール空港(CDG)に着いた。わたしがバウチャー(予約票)を持ってるパリのホテルはモンパルナスの14区内にある。
とりあえず、手荷物を受け取り、空港内の国鉄の駅を探す。私は鉄なので、やはり街に出るのはバスよりも鉄道のほうがいい。
しかし、ドゴール空港が要塞のように広い上に、おもに国内便が到着する第2ターミナルの各ホールABCDが非常に似通っていてわかりづらい。
1時間弱ほど空港内を徘徊して、なんとかSNCF(フラ国鉄)の近郊RERのB線のホームを見つける。
やった!この電車でdenfert rochereauまで乗っていったら、あとは歩いてホテルまで行ける!
20sのスーツケースと10sのカメラ機材を入れたバッグの両方は重いが、
まあ、スーツケースはタイヤが着いてるから階段以外はなんとかなる。
れっどの窓口でdenfert rochereauまでの切符8.5EURを買い、電車に飛び乗る。
パリは日本より夜明けの時間が遅く、日が暮れるのも遅いのだが、
現地時間にあわせた腕時計の針は20時をすでにまわっており、車窓から見える景色もかなり暗くなっていた。
途中駅で乗ってきたおっちゃんがアコースティックギターを片手に、電車内でリサイタルコンサートを勝手に始める。
その哀愁感漂うメロディーとおっちゃんの渋い声が、疲れ切った体になんとも心地よかった。

denfert rochereauに着く。荷物が重すぎるのでホームから地上へはエレベーターで。
地上に出た瞬間・・
「道が放射状に伸びとってわけわからん。。。どっちが北や??」

腕時計の方位を計測する機能を使って、とりあえず”北”を割り出し、
スーツケースから必死に取り出した地図を片手にゴロゴロとスーツケースを引きづり、重いバッグを背負ってヨロヨロと歩く。
駅のすぐ近くにタクシー乗り場があって空車が数台止まっていたが、タクシードライバーのくせに、「高いから」と意固地に歩きつづける。
しかし、どう考えても、地図と自分の歩いている位置が一致しない。
最初に、ウォークマンでノリノリのにいちゃんに聞いた
わたし 「ぱーどん?音楽聞いてはるところごめんな?ちょっと、このホテルにいきたいねん。おしえてくれん?すぃるう゛ぷれ?」
にいちゃんは丁寧におしえてくれた
にいちゃん 「あんた、ぜんぜん、方向違ってるで(笑)。そっちに行きたいんやったら、反対やで。」
わたし 「えー??そうなんやあ!にいさん、ありがとう!ほんまにおおきに!」

わたしは間違ってモンパルナスの墓地のほうに歩いていて、ほんとうにホテルとは反対方向だった。
もっと早く聞いたらよかったと後悔しつつ、おにいちゃんに感謝。
しばらく歩いて、もう一度おばちゃんとおばあちゃんの二人連れに道を聞く。
わたし 「ぱーどん?すんまへん。わし、カンパニールいきたいんやけど、こっちであっとうん?」
おばちゃん 「カンパニール?どこそこ?地図見せて。ふーん。そこならこっちであっとうよ?」
わたし 「めるしーおばちゃん!ありがとう!ほんまありがとう!感謝感謝!」
おばちゃん 「あんた、いかにもおっちょこちょいそうやし、きーつけていきやあ(^^)/」

ヨーロッパ人、とりわけフランス人は冷たいと日本ではよく聞くが、全くの偏見である。
タクシーの運転手でありながら、筋金入りの方向音痴のわたしはこの8日間、
あらゆるところで人に道を聞いて聞いて聞きまくったが、ほとんど全ての人が日本人以上に懇切丁寧に教えてくれた。
ほんとうに、現地の方々にはお世話になった。
ここでわたしは声を大にして主張したい!
フランス人ほど、親切な民族はいない!と。(スイス人も同じくらい親切で優しいです)

なんとか人の助けを借りて、ホテルに着く。時間は22時過ぎ。
カンパニールのフロントのにいちゃんも、バウチャーを見せたらすぐにチェックインの手続きをしてくれた。
遅くチェックインしたのにごめん。(ホテルによっては18時を過ぎるとチェックインできないところもあるらしい)

明日は晴れだ。朝一の列車でモンサンミッシェルに行こう。宿も一応自宅で取った。スーツケースはパリに置いていこう。
22時前、サッとシャワーだけ浴びてそのまま爆睡。



2日目につづく  


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